後書き

 無事に完結しました。連載開始から一年半以上かかってしまいましたが、ここまでおつきあいくださいまして、本当にありがとうございます!全部で135話。思ったよりも話数が多くなりました。開始当初は一年で完結しようとしていたんですが…実に一年半以上かかりました。改めていかに無謀だったかということを思い知っております(汗)

 今回の物語、〜Link〜。一応伏線は張っておりましたが、原作より前の話なのに、脱出者を出すというイレギュラーな結末となっております。これには私なりの考えがあってのことなので、しばし説明におつきあいくだされば幸いかと思います。

 

 原作においては、川田省吾の主導のもと"生徒”だけで脱出に成功しています。この際、政府側の協力はいっさい得ておりません。なら、“政府側の協力さえあれば、脱出は秘密裏に何度か行われているのではないか”と考えた次第であります。

 ほぼ首輪だけで生死が管理されている状況。遺体そのものも、本部が撤退してから回収するという形を取っています。つまり、遺体を回収して正確に死亡が確認されるまで、かなりのタイムラグが存在することになるわけです。

 もちろん、これは首輪の機能が優秀であるがために起こることで、通常実行する上では問題が起こることはありません。ただ、もし本部側が何らかの策を講じて、生きている生徒を”死亡”と報告すれば、案外容易に脱出できてしまうのではないか――

 

 もちろん、不自然にならないようにする必要がありますが(なので、最後の方でしか動けなかったわけで)、そのために栗井担当官にはああいう行動を取ってもらいました。もちろん栗井担当官だけでは不可能なので、地味にちょこちょこ登場してもらっていた白石兵士にも動いてもらい、今回の脱出成功となったわけです。この背景には、白石兵士みたいな兵士もいるんじゃないかという、私個人の希望もあります。

 まあ何よりも、主人公である晴海はともかくとして、どうしても宗信が死ぬという結末が考えられなかった故にというのもあるんですけどね(大樹に関しては、初期のプロットの段階ではラストの方で死亡しています)

 中盤戦という早い段階で、楓と浩介が退場したのもこのためです。放送で名前を呼ばせることで、白石兵士に行動を起こすきっかけとなってもらいました。終盤戦の段階で秘かに動いていたわけです。なので担当官視点の話は、中盤戦以降まったくないというわけなんです。

 

 

 今回の物語、〜Link〜。テーマは”つながり”。人は、何らかの形でつながっているんじゃないかということをテーマにしています。一人でいても、絶対に一人ではない。そんなニュアンスが伝わればいいなと思います。  晴海を始め、宗信や楓、浩介や大樹や賢二、そして彬。全てが横の線でつながるわけではありませんが、別の誰かを通して”Link”している。話そのものも、前話と何らかのつながりを持たせていました。まぁちっちゃいこだわり(笑)

 色々語りたいことはありますが、生徒一人一人に関しては、また後に詳しく述べる機会を設けようとは思っておりますのでここでは省略(笑)

 

 

 今だから言えますが、正直なところ何度も心は折れそうになりました。サイトを閉鎖しようかとも考えました。こんな結末を受け入れてもらえるんだろうかと不安になったこともありました。

 でもそのたびに、掲示板の書き込みやら、メールなどで励ましてくれる方がたくさんいて、「止めてはいけない!」と己を奮い立たせていました。私も読者の期間が長かったものですから、読者側の気持ちは分かります。それに、プログラムに巻き込まれてしまった三十八人の生徒のためにも、きちんとした結末を書いてやらねばと思い、ここまで突っ走ってきました。

 振り返ってみれば、反省点は多々ありますし、書き直したいところなんか山ほどありますが…(苦笑)とにかく突っ走ってきたなぁという印象です。これも読んで下さる皆様のおかげだと思います。本当に感謝です!

 あ、人気投票は次回作開始まで置いておくので、気軽に投票してくださいね(宣伝)もちろん掲示板への感想も待ってます!!提示板が恥ずかしいわって方は、投函箱でも拍手一つでもかまいません。そんな皆様の反応が、私の執筆の動力になります。24時間365日受付中です(笑)

 

 

 次回作も考えております。今回よりも時系列的には前の話です。今回割といい子が多かった印象があるので(笑)、次回は反動で性格悪い人間が増える予定(笑)。少し構成を練ったりするお時間をいただいてから、また精力的に書いていきたいと思っております。

 

 最後になりますが、ここまで読んでくださった皆様。本当に本当にありがとうございました!これからもどうぞよろしくお願いいたします!

 

 2012年10月19日 anotherworld管理人:透

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