担当官からの視点B

 

 喉の奥から絞り出すかのような悲痛な声が、本来聞こえるはずの周囲の音を全てかき消している。その声に耐えられなくて、思わずヘッドホンを外した。それでも、耳の奥には、彼女の泣き声がいつまでもこびりついている。

 

――人が死んでいく場面は、何度経験しても慣れないものだね……

 

 寿担当官は、今し方盗聴していた三人――東堂あかね(女子14番)橘亜美(女子12番)須田雅人(男子9番)のやりとりを思い出し、眉間に皺を寄せた。不機嫌なわけではなく、こうでもしないと涙が零れそうだったからだ。担当官は、決して泣いてはいけないのに。

 

『あり……がとう……』

 

 数少ない彼の最期の言葉に、一体どれだけの想いが込められていたのだろう。本当は、もっと言いたいことがたくさんあったはずだ。けれど、それはもう叶わない。だからこそ彼は、一番伝えたいことを、短い言葉で口にした。

 死なせずにはすんだとしても、この結末が彼女らにとって最悪なものだと。自分には後悔がなくとも、残されてしまう者にとっては違うのだと。彼は、誰よりも理解していた。だからこそ、残されてしまう二人に、自分の死が重荷にならないように。必死で考えて、言葉を選んで、苦しいはずなのにそれに耐えながら――

 

 いつのまにか泣きそうになっていることに気づき、慌てて思考を中断する。深呼吸をして気持ちを落ち着け、伏せていた顔を上げた。分かっていたことだが、モニター上にある“須田雅人”という名前は、緑から赤へと変わっていた。これで、現在の生存者は六名。クラスの五分の一以下だ。

 プログラムが終わるのも、時間の問題となってきた。果たして、生きて帰れるのは誰なのか。生きて帰れたとして――それが本当に一番の救いになるのだろうか。そんなことを考えていたら、ふと古い記憶が呼び起こされていた。

 

『生きて……くれ……』

「ねぇ」

 

 その記憶を遮るかのように、近くにいた佐々木兵士に声をかける。突然のことにも関わらず、一切慌てる様子もない平常の「なんでしょうか?」という返答が聞こえた。

 ずっと、心のどこかで引っかかっていたこと。それを証明するような形で一つの疑問が解消し、その分抱いていた疑念がより深まった。それをはっきりさせるためにも、調べてみる必要がある。それに、一度ここから離れて、気持ちの整理をすることも必要だ。

 

「ちょっと気分転換してくるから、少しの間監視をお願い」
「……分かりました」

 

 こちらの気持ちを察したのか、はたまた余計な干渉は無粋だと思ったのか、佐々木兵士は何も言及してこなかった。

 

『やっぱさ、優秀な男は、多くを語らないものだよー』

 

 今度は、別の古い記憶が呼び起こされる。先ほどとは違う、日常の場面。この言葉は、一体誰が言ったのだろう。浮かんだ映像は、見慣れた制服を着ているクラスメイト。なのに、顔が出てこない。一番仲の良かったあの子だっただろうか? 部活の仲間だっただろうか? それとも、もっと別の――

 気を緩めれば、また泣きそうになってしまう、過去の映像。誰にも見られないようにこっそり唇を噛みしめながら、モニタールームからひっそりと出た。

 

 廊下に配置されている兵士に軽く「ご苦労様」と声をかけ、ある場所へと向かっていく。足を踏み入れるのは、これで二度目になるのか。そんなことを考えながら、誰もいない教室――みんなが最初に目覚めた教室のドアをゆっくりと開けた。

 開けてすぐ目に入るのは、三十四人分の机と椅子。綺麗に整えられているものもあれば、動揺していたのか椅子が倒れてしまっているものもある。そんな机の隙間からは、床に広がった血の痕跡が見える。あの後すぐに掃除はしたのだが、血の汚れというものは簡単には落とせない。どこか、鉄のような臭いさえも残っていると錯覚してしまうほど。

 

『俺は、まだ死ぬわけにはいかないんだよ!!』

 

 田添祐平(男子11番)の、あの言葉の真意。それを知ってしまった今、頭の中でリフレインするたびに胸が締め付けられる。中学生で働くなんて、こちらからすれば信じられないことだ。中学までは義務教育なはずで、その時期の子供は本来勉学と――いうなれば遊びに精を出す年頃であるはず。けれど、それは自分が恵まれた環境にいたことで、“知らなかった”だけのことだ。決して、“あり得ない”ことではない。

 プログラムの存在は、ある程度の年齢に達した国民ならば、全員が知っている。選ばれていない人たちにしても、こういった背景があるのかもしれない。多くの命を犠牲にして成り立つ戦闘実験は、きっと知らないところでも国民の生活を侵食している。

 

 ただ、プログラムの恐ろしいところは――きっとそれだけではない。

 

 適当な椅子に座り、持ってきた資料を広げる。プログラム開始前に何度も読み、そのせいか内容も一言一句記憶している。それでも、ある疑念を確かめるために、何度も何度もその資料を見直した。各生徒の性格、部活動、家族構成、成績表、これまでの所属クラス、交友関係――

 ある基準を元に振り分け、またつぶさに読み返す。ずっと抱いていた疑念を確かめるように、あるところを何度も見返す。頭で整理し、そして疑念が確信に変わったところで――ようやく手と思考を止めた。

 その瞬間、まるで呼吸を忘れていたかのような、妙な息苦しさを感じる。自然と、肺いっぱい酸素を取り込むかのように、大きく息を吸う。ひとしきり吸って、そしてゆっくり吐き出した。そのおかげか、ようやく幾分か気分が落ち着いた。

 

――やっぱり……このクラスは、“本当の特進クラス”じゃない。

 

 ずっと心のどこかで抱いていた疑念は、資料を見る限り真実である可能性が高い。そうでなければ、色々と説明のつかないことが多いのだ。

 

 特進クラスとは、その名の通り“成績優秀者を集めたクラス”である。つまりは成績が悪くならない限り、三年間在籍している生徒が多いはず。なのに、このクラスの中で二年時も特進クラスだったのは、わずか十五人。実に半数以上が、今年新たに特進クラスに配属されているのだ。もちろん、特進クラスから外された生徒が、全員急激に成績を落としたわけではない。逆に、今回初めて特進クラスに配属された生徒の成績が、全員急に上がったわけでもない。

 

 これだけでも、十分不審に思うところだ。現に、このクラス編成には、多くの苦情が寄せられたらしい。しかし、このクラスの生徒たちの個人データをよりつぶさに見てみると、この編成には別の意図が透けて見える。

 

 二年からそのまま特進クラスに残った生徒。佐伯希美(女子7番)澤部淳一(男子6番)のように、学年内でそれなりに名の通った成績優秀者。雅人や亜美のような、いわゆる特待生と呼ばれる生徒たち。多くのクラスメイトが他クラスに移動したにも関わらず、このクラスが特進クラスと認識されていたのは、彼らの存在があったからだろう。

 逆に、今回新たに特進クラスに配属された生徒たち。槙村日向(男子14番)弓塚太一(男子17番)のような、前述の生徒と関わりの深い友人たち。あかねたちのような交友関係の深いグループが、全員そのまま配属されている。また、学校側から問題視されている祐平や妹尾竜太(男子10番)のような生徒も多く存在していた。そして、ほぼ全員に共通するのが、学年全体で見ても中より下であるということ。

 

 特進クラスという体裁は保ちつつ、半分以上の生徒が成績が中より下。ここから導き出されるのは、ただ一つ。

 このクラスは、ある目的のために意図をもって編成された――偽りの特進クラスなのだ。

 

 なら、その目的とは何か。今回のケースでみると、プログラムが大いに関わっていると考えるのが妥当だろう。そのくらいの理由がなければ、多くの反対を押し切って、このようなクラス編成をするわけがない。

 プログラムという名の戦闘実験。その目的や名誉はさておき、結果的には“最後の一人以外は全員死ぬ”ことになる。特進クラスが選ばれた場合、当然ながら成績上位者の多くが、受験や高校進学を待たずしてこの世を去ることになる。

 学校の立場から考えれば、私立という特性上、在校生の進学率が、後の入学希望者の数に大きく影響する。故に、優秀な生徒は、一人でも多くいた方がいい。けれど、今回のプログラムで特進クラスの大半の生徒は死亡し、残った一人でさえも転校をよぎなくされる。そうなれば、偏差値の高い高校への進学率はガタ落ちだ。もちろん、他クラスにも優秀な生徒は多くいるだろう。けれど、“特進クラスの優秀な生徒たち”がいなくなるということを、学校にとっては何よりも避けたかったはずだ。

 

 選ばれた以上、プログラムから逃れることはできない。なら、どうするか。そこで学校側が出した結論は、一部の生徒以外を、他クラスに分散させてしまうことだったのだろう。

 

 特進クラスという体裁を保つために、一部の名の知れた生徒や、学校に金銭的な利益をもたらさない特待生らを残し、それ以外の生徒を他クラスに分散。かつ、そのクラスメイトと親しい者、あるいは学校側からすれば厄介といえる生徒を他クラスから配属。仲のいいグループを丸ごと移動させてしまうことで、不満の声を抑制する。こうすることで、“プログラムのために編成された特進クラス”が出来上がったのだ。

 見方を変えれば、本来選ばれるはずだった半数以上の生徒は助かっている。けれど、その裏であかねや日向のような、本来選ばれないはずの生徒がこうして苦しい思いをしている。どちらがいいかなんて、到底決められる問題ではない。

 そもそも、本来学校に通達が行くのは、早くてもプログラムが行われる数ヶ月前。十二月末に行われているこの学校の場合、どう考えてもクラス編成前に知らされるわけがない。そもそも、最も早い第一回の開催ですら、クラス編成が終わった時期にしか報告しないのだ。このような不正が横行しないためにも。

 間違いなく、プログラムを管理する立場の人間から、学校側に何らかのリークがあった。そこに金銭的譲渡があったかどうかは分からない。けれど、本来知るはずのない情報を、学校側は悪用したのだ。自分たちの都合のいいようにクラス編成をやり直し、勝手な価値観と基準で、何十人もの生徒の運命をねじ曲げた。

 これは、まぎれもなく担当官が最も嫌いな――不平等そのものだ。

 

――まったく、人の命をなんだと思って……って、私に言えたセリフでもないか……

 

 自分の立場を鑑みて、自虐のこもったため息をつく。生徒たちから見れば、プログラムに放り込む担当官そのものが、諸悪の根源に違いないだろう。かつては自分もそう思っていたのだから、それは当たり前の考えだ。

 今の考えにしても、全て推測でしかない。けれど、プログラムに選ばれたことを告げた際の学校側の冷ややかな態度、一切反抗することなく了承した担任。拉致に関しても、あまりにも事がうまく運びすぎている。一つ一つは小さな違和感に過ぎないが、こうしてみると驚くほど説明がついてしまう。事前に知っていたのなら、生徒に感情移入することなく送り出すことも、拉致の手筈をある程度整えることも可能だ。そういえば、北村梨花(女子5番)は、成績は学年でもずっと下位であるはずなのに、三年間ずっと特進クラスに在籍している。ここにも不正が働いているとしたら、元々この学校にはそういうものが横行しているのかもしれない。

 ただ、梨花の件はまだしも、今回はプログラムだ。自分の教え子たちが、こうして戦地に送り込まれ、命を散らせてしまうのだ。意図的に選別するなんて、いくら保身のためとはいえ、そこまでできるものなのだろうか。

 

――いや、できる人もいるんだろうな……。この世で一番怖いのは、幽霊でも妖怪でもなく、生きている人間なんだから……

 

「失礼します。今、お時間よろしいでしょうか?」

 

 選ばれた生徒たちを思って、深い深いため息をついたところで、ドアをノックされた。予想していたことだが、呼びに来たのは佐々木兵士であるようだ。いいよーと軽く返事をしつつ、広げていた資料を素早く片付ける。

 一呼吸おいたところで、ドアが開かれる。そこには、相変わらず真面目な表情の佐々木兵士が立っていた。

 

「そろそろ動きがありそうなので、呼びに来ました。……ところで、ここで一体何をされていたのです?」

 

 腹に一物ありそうな表情。一体、どこまで分かっているのか。それとも、ただ発破をかけているだけなのか。

 まぁ、どちらでも構わないが。別に知られたところで、こちらとしては困るものではない。ただ、ベラベラと話すことでもないので、先ほどまでしていたことと、今抱いている仮説は伏せておくことにした。

 

「ちょっとねー。さっきの盗聴が、堪えちゃって。少し、気持ちの整理してた」
「気持ちの整理……。そうですか……」

 

 表情が一転、どこか沈んだ面持ちになる。少しばかり不思議に思ったが、彼にも何か思うところがあったのだろう。敢えて、何も言わなかった。

 

「でも、もう行くよ。担当官としての仕事は、ちゃんとしないとね」

 

 そう言って、佐々木兵士の横を通り抜けようとする。けれど――

 

「担当官」

 

 えらく真面目な声で呼ぶものだから、彼の隣に立つような形で、思わず足が止まってしまった。顔を上げ、いつになく真面目な表情をしている彼に、視線を合わせる。

 

「……何?」
「私は……あなたの過去を知っています」

 

 一瞬にして、重い沈黙が二人を包む。何と答えていいのかわからなかったので、返事をすることができなかった。

 

「あなたが、なぜ担当官になったのかも、何となく分かります。私の知り得る限り、あのプログラムは……決して公平に行われたとは言えないものでした」

 

 いつもの口調とは、どこか違う。真剣で重く、こちらが真面目に聞かなくてはいけないと思わせる空気。表情も今まで見たことがないほど精悍で、射抜かれそうなほど強い目をしている。

 彼の言葉が、否応なしに過去の映像を呼び起こす。血に濡れた自分の手。目の前にはクラスメイトの遺体。次第に慣れていく、ひどい腐臭。そして最も麻痺していくのは、殺人に躊躇いを感じなくなる、人としての倫理観。

 そのどれもが、現実にプログラムが行われたという証。

 

「そう……。まぁ……別に隠し通せるとも思ってなかったから……」

 

 彼から視線を逸らし、小さく呟く。本来、プログラムで優勝したという事実が他人に知られることはない。政府側からひっそり暮らせと言われている以上、履歴書に書く義務もないし、仮に出身校から推測されることがあったとしても、暗黙の了解でそれ以上追及されることはない。

 けれど、担当官ともなれば話は違う。履歴書に書く義務も生じてくるし、上層部には優勝する過程もすべて知られる。プログラムに携わることになるのだから、それも一つのデータとして必要なのかもしれない。

 そうなれば、いずれは上層部以外の人間に知られてしまうこともあるのかもしれない。だから、彼のような補佐という立場の一兵士が知っていても、決しておかしいわけではない。ただ、彼はこのことをいつから知っていたのだろう。補佐という立場でここにいる以上、最初から知っていたのだろうか。となれば、これまでの会話で彼の口から出た意味ありげな言葉は、全てを理解した上だったということになるのだろうか。

 

 こちらの態度を見て、何か思うところがあったのか。佐々木兵士が、また静かに口を開く。

 

「差し出がましいことだと自覚しておりますが、どうか一つだけ。私は、プログラムに参加した誰もに罪はないと考えております。たとえ、多くのクラスメイトを殺めてしまっても、それは環境がそうさせてしまったのです。どんな考えでそうしたとしても、非難されるべきではないと思います」

 

 彼の言葉が、やけに胸に突き刺さる。哀れみや同情などで発せられたものではないと分かっているのに、その言葉を素直に受け止められない。その方が、救われるのだと分かっているはずなのに。

 フッと笑いがこぼれる。自嘲気味で、どこか渇いた、投げやりに近い感情で吐き出された笑いが。

 

「……でも、私がしたことは大量殺人だよ」
「ですから、それは――」
「殺人なんだよ」

 

 遮るかのように強い口調で、佐々木兵士に二の句を継がせないようにした。この場合の優しい言葉は、何よりも猛毒だ。

 

「どんな理由があったにせよ、環境がそうさせたにせよ、私がやったことはただの殺人。何の罪もないクラスメイトを、私利私欲のために殺した。それ以上でも、それ以下でもない」

 

 彼の言っていることを、間違っているとは思わない。プログラムに選ばれなければ、ほとんどの人間が殺人に手を染めることはなかっただろうから。だから、責任を他者に、環境に、全部押しつけてしまった方が楽なはずだ。本当は。

 けれど、それはしたくない。責任を押しつけることで、楽になりたくない。罪を背負って、たとえそれで人生の大半の楽しみを失うことになったとしても、そうすることでしか生きられない。

 十字架を背負って、自分の罪を自覚して、だからこそまだ生きていられる。“自殺で楽になってはいけない”と、死にたくなる衝動を押さえられる。たとえ、他人から生きることを望まれたとしても、それだけを糧に生きてはいけない。むしろその優しさが、却って心を蝕んでしまうこともあるのだから。

 

『生きて……くれ……』

 

 最期に告げられた言葉は、呪詛の言葉として今でも耳に残っている。告げた本人にその気はなくとも、受け取り手がそう捉えてしまったら、もうそれで解釈されてしまうのだ。

 雅人がそれを告げなかったのは、そう捉えられてしまうことを恐れたからなのだろう。願っていても言わなかった彼は、どこまでも残されてしまう二人の未来を考えていた。

 告げた彼も、告げなかった雅人も、どちらも他人を思う優しい人だった。ただ、その優しさがどう表れたかという違いだけ。その優しさを、受け取った側がどう捉えたかの違いだけ。

 そう――ただそれだけのこと。

 

「……そうですか」

 

 それ以上は、何も言えないと察したのだろう。佐々木兵士は、それ以上は言葉を口にしなかった。この場合、下手な言葉や慰めが、却って傷つけてしまうと知っているのだろう。善意の言葉が、時には何よりも鋭い刃になることを、きっと彼は理解している。

 聡明で、優秀で、そしてきっと優しい――彼のような人がたくさんいたら、私も、この国も、何か変わるだろうか。

 

「……動きがありそうなんだよね? それじゃ、戻ろうか」

 

 止めていた足を動かし歩を進め、そのまま教室のドアを開ける。その瞬間、冬の気候にふさわしい冷たい風が、サッと頬を撫でる。窓を全て閉め切って、唯一開放していた玄関も今は閉じられているはずなのに。ああどうして、学校というものは、こんなに風通しがいいのだろう。

 この風通しの良さは、きっとずっと好きになれない。

 

「……はい、そうですね」

 

 どこか寂しそうな――けれどそれを押し隠したかのような声が、そんな感傷を、ほんの少しだけ忘れさせてくれた。そんな彼の言葉を背に、先ほどまでいた場所まで歩き出す。かつての自分もいた、プログラムという名の悪夢の渦中へと。

 

 きっと私は、私を一生赦さない。

 だからこそ、天寿を全うするまで。もしくは、この国が大きく変わるところを見届けるまで。あるいは、誰かに恨みを持って殺されるその日まで。

 どんなに醜くても、恨まれても――生き続けなくては。

 

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