この世界の不適合者A

 

「お、小山内さん……」

 

 須田雅人(男子9番)は、今話しかけてきた小山内あやめ(女子3番)の姿を目の当たりにするのと同時に、自然と後ろへ下がって距離を取った。そうしてから、自分はどうしてそんな行動をしたのだろうと疑問に思った。彼女の全身が真っ赤に染まっているせいだろうか。それとも、彼女から発せられる言いしれぬ威圧感がそうさせたのだろうか。もしくは、元々あやめに対して警戒心を抱いていたからだろうか。

 その全ての疑問に、真っ向から否定することはできない。なぜなら、雅人は元々あやめに対して苦手意識を持っていたからだ。それは、彼女が愛国主義者というのも大いに関わっているが、おそらくそれだけではない。現に、あやめと同じ愛国主義者である江藤渚(女子2番)に対しては、明確な苦手認識というものが存在しないからだ。

 

「まったく、あなたのような方がこんなところで何をぶつぶつ言っているのです。そうでなくても、あなたの発言は無意味なものが多いのですから、せめてその口を噤んでくださいません?」

 

 あやめからのきつい一言が、グサリと心に刺さる。これだ。こういう、あやめの歯に衣着せぬ物言いが苦手なのだ。彼女の言葉には、どこか相手に対する毒が含まれている。それも、おそらくあやめにとって大した価値のない人間に対してだけだ。二年時にクラス委員を一緒に務めていたとき、最初から最後まで彼女は雅人に対してその言い方を貫いた。そして、それは今でも変わっていない。

 そして、その対象はおそらく雅人だけではない。教室でも妹尾竜太(男子10番)に対してそんな言い方をしたし、東堂あかね(女子14番)に対してもどこか敵意を持っている。それは三年に上がったときに、あかねに負けるような形でクラス委員になれなかったことが大きな原因だろうが。

 

「まぁ……あなたの発言などどうでもいいですが、ここで何をされているのかだけ聞きましょうか」

 

 雅人が黙ったせいか、あやめから疑問を投げかけられる。何をしているのか聞かれても、今はただ彷徨っていただけで、そこに明確な目的はない。強いて言えば、やる気でない人間を探していただけだ。元々嘘をつくことなどできない雅人は、あやめの質問にそのまま正直に回答していた。

 

「べ、別に……。ただ、やる気じゃない人がいないかどうか……」
「あぁ、やっぱり。あなたはそんな愚かなことをしていたのね」

 

 雅人の言ったことに、あやめは失望したかのような言葉を返す。

 

「教室で担当官の方が言っていたでしょう? これは、最後の一人になるまで終わらないと。それなのに、やる気でない人を探してどうするのです? まさか、この神聖なプログラムを中止させようなどと考えていたわけではないでしょうね?」

 

 静かな怒りを含ませたような口調で、あやめは一気に言葉を吐き捨てる。その内容はあまりにも的を得ていて、雅人は何も言えなかった。一瞬の沈黙の後、あやめは深く大きな溜息を吐き、そして再び口を開く。

 

「須田くん。あなたも四月演説を知っているでしょう? このプログラムは、恥知らずな帝国主義の輩から、我が国を守るために必要なことでなのです。このプログラムで散った同士の命は、わが民族の独立に役立ち、そして彼らの魂は未来永劫この国の礎をなり生き続けるのです。つまりこのプログラムは、我が国が我が国であるために必要不可欠なものなのですよ。そんな神聖なものを、あなたは中止させようと?」

 

 四月演説――その演説そのものは、中学の教科書で出てきたからもちろん雅人も知っている。けれど、その演説の意味は少しも理解できなかった。死んでいった者が未来永劫生き続けるなんて、そんなのは雅人にとって方便でしかなかった。死んだ後どうなるのかなんて分からないのに、どうしてそんなことが言えるのだろう。それよりも、生きて自分の人生を全うすることの方が大事ではないだろうか。

 人を殺すことを強要され、誰にも頼ることができず、今まで仲良くやってきたクラスメイトと殺し合わなくてはいけない。直接手を下さなくても、死にたくないのなら、暗にその死を願わなくてはいけない。そんなものが、神聖であるはずがないというのに。

 

「まぁいいです。あなたの考えていることになど興味はありません。ここで会ったのも何かの縁ですし、私と正々堂々と勝負しませんか」

 

 静かな声でそう言ったあやめの顔を、今度は真正面から見つめた。あやめがそう言うことは、心のどこかで予想はしていた。けれど、それでも何かの冗談ではないかと思った。でも、あやめはそんな冗談を言うような子ではない。おそらく本気で言っているのだ。

 

「見たところ、あなたの支給武器は銃ですか。まぁ良かったですわね、当たりの部類で。ですが、ここはせっかくですから、似たような得物で戦いません?」

 

 そう言って、あやめは何かを放り投げる。そうして地面に落ちたものは、雅人の見たことのない刃物だった。柄の部分に比べて刃の部分が異様に長く、そしてそこが大きく曲がっている。まるで人を殺すためにあるような、そんな恐ろしい形状をしていた。

 

「ククリナイフというものですわ。私の持っている軍刀に比べてリーチは短いですが、我慢してくださいね。必要とあらば、持っている銃を使ってもらってもかまいませんよ。まぁ、そんな隙など与えるつもりはありませんが」

 

 そうやってすらすらと話を進めるあやめの言葉が、雅人には理解できなかった。戦う? 正々堂々と? こちらはまだそんなことを了承したわけでもないというのに?

 

「荷物は下ろして下さいね。どうやらあなた、不必要なものを処分とするということをしていないようですから。荷物のせいで負けた、なんて言い訳は聞きたくないですし」

 

 静かに、けれどどこか楽しそうに言いながら、あやめは腰に差していた刀を鞘から抜く。露わになった刀身に、太陽の光が眩しく反射する。その一挙一動に、ついていっているのは視線だけ。気持ちは、まるで追いついていない。

 

「ほら、早く拾って下さいな。そうでないと、始められないでしょう?」

 

 始める? 一体何を始めるというのだろう? こちらは何も言ってないのに、どうして勝手に話が進んでいるのだろう?

 

「……早くして下さいません? こういう無駄なことに費やす時間などないのです。総統様のために、私はまだまだ働かなくてはいけないのですから」

 

 働く? 一体何のために? 総統様のために? 一体どんな理由で?

 分からない。あやめの言っていることが、何一つ分からない。刀を抜いた理由も、刃物を渡した理由も、戦いを強要する意味も――

 

「……んで」
「はい、何でしょうか? 最期の言葉というのなら、聞いてあげなくもないですが」

 

 どうして? どうしてそんな風に落ち着いていられる? だって、君だって失っているはずだ。大事な友人を。

 憎むべきなのに。こんな悲惨なプログラムなんか、憎まなくてはいけないのに。どうして――

 

「なんで……君はそんな風にいられるんだ……?」
「……言っている意味が分かりませんが」

 

 雅人の言葉の意味を測りかねているのか、疑問のニュアンスを混ぜた言い方であやめは言った。

 

「何とも……思わないのか……? ずっと仲良くやってきたクラスのみんなが……こんなに死んでいくのに……」
「みなさんはただ死んだのではありませんわ。この国の為の礎になったのです。その魂は、未来永劫生き続けて――」
「違うッ! 俺が言いたいのは、そんな訳の分からないことじゃないッ!!」

 

 あやめの言っていることが理解できなくて、雅人は思わず大声を上げていた。それはあやめの言葉、立ち振る舞い、そしてこれからやろうとしていること全てへの拒絶反応だった。

 

「死んでどうなるかなんて分からないのにッ……どうして国の為とか、未来永劫とか言えるんだ!! それよりも、生きて何を成すべきかが大事じゃないかッ!! 悔いのないように生きることの方がずっとずっと大事なはずなのにッ!! どうして!!」

 

 耳を塞いで、大声を上げて、あやめの言葉を全身で拒絶する。

 

「小山内さんも、真田さんも、どうしてそんな簡単に人を殺そうとするんだッ! そんなに人の命は軽くない! こんな訳の分からないもので死ぬために、俺たちは生きているんじゃない! 断じて国の為に生きているんじゃないッ!!」

 

 大声でそう言った後、落ちていたククリナイフを拾って、あやめに向かって投げ返した。柔らかい草の上に落ちたそれは、ひどく鈍く光っているようにも見えた。

 

「戦うなんて、殺し合いなんて、俺は絶対にしないッ!! そんなの絶対認めないッ! プログラムなんて、そんなの全部無意味なんだッ!!」

 

 あやめの目を真正面から見つめ、雅人は言葉は吐き出していた。言いたいことや抱えていたもやもやした複雑な思いを、感情に突き動かされるまま言葉にして吐き出していた。あやめに分かってもらおうと思ったわけではなく、そうでもしないと雅人自身が何かに押しつぶされてしまいそうだったから。

 

「プログラムが無意味だと……あなた今そうおっしゃっいました?」

 

 先ほどよりもきつい口調で吐き出されたあやめの言葉に、もう官僚一家の気高さは感じられなかった。純粋に、雅人に対する嫌悪感だけで、その言葉は彩られている。

 

「総統様が必要だとおっしゃったプログラムが無意味だと、そうあなたは言いたいのですか?」
「ああそうだよッ! だってそうじゃないかッ! 人の命をこんな簡単に奪うようなものに意味があるわけ――」
「お黙りなさいッ!!」

 

 雅人の言葉を遮るかのように、あやめが声を張り上げる。普段落ち着いた話し方をする彼女には珍しい、感情が露わになった言葉だった。

 

「プログラムは、この国に必要だということがどうして分からないのですか?! 無粋な輩からの侵略を防ぐためにも、これは必要不可欠なものだと何度言ったら――」
「だから、その必要意義が分からないと言っているんだッ! 人の命よりも大事なものなんて、そんなのあるわけないッ! だって、おかしいじゃないかッ! 死ぬことを強要するなんて、そんなの……国が国民のことをないがしろにしている以外に、一体どんな意味があるっていうんだよッ!!」

 

 雅人が言った言葉に、あやめの表情がはっきりとした“怒り”の色へと変化する。それから低くうなるように、こう一言口にした。

 

「そうですか……。どうやら、あなたとこれ以上話すことはないようですね」

 

 そう言って、刀の切っ先を雅人の喉元へと向ける。距離は二メートルほど離れているのに、その切っ先からはこちらに対する殺意がはっきりと感じ取れた。真田葉月(女子8番)のときとは違う、“雅人個人に対する明確な殺意”を。

 

「ここは戦いの場。あとは戦闘で答えを出しましょう。私とあなた、どちらが正しいのかを。ああ、もうナイフは手に取らなくて結構ですよ。すぐに終わらせて差し上げますから」

 

 そう言って、あやめは刃先を少しだけ下げる。足を一歩だけ後ろに動かし、完全なる戦闘体勢を取った。雅人のことを、いつでも殺せるような体勢に。

 

「なんでそうなるんだ! どっちが正しいことを、どうして殺し合うことで決められるんだ! どうしてそんな簡単に命のやり取りができるんだッ!」

 

 分からない。あやめは、どうしてそんな簡単にそんなことを口にできるのだろう。確信を持てない未来永劫なんて言葉を、まるでそれが決定づけられているような言い方で口にするのだろう。それに――

 

「それに……君は友達を失っているじゃないかッ! 江藤さんが死んで、悲しいとか思わなかったのかよッ!! 生きていてほしかったとか、どうして死んだんだとか、誰が殺したんだとか、そんな疑問は浮かばなかったのかよッ!」

 

 そうだ。友達が死んでしまったら、きっとそう思うはずなのだ。雅人の友人である有馬孝太郎(男子1番)広坂幸治(男子13番)は、幸いにもまだ名前は呼ばれていない。けれど、考えたくもないけど、もし呼ばれてしまったら、きっとそんな風に思う。その死を悲しんで、どうして死ななくてはいけなかったんだと疑問に思って、さらにプログラムを憎く思うようになるだろう。もしかしたら、殺した相手に殺意を抱いてしまうかもしれない。友達が友達に成り得るのは、互いに生きているからだ。死んでしまったら、もう何も話せない。友情を深めることも、理解し合うこともできない。

 そう、もっと時間があれば、あいつとだってもっと――

 

「渚はお国のために、立派に戦って下さいましたわ。臆病者のあなたとは違ってね」

 

 突然放たれたあやめの言葉に、一瞬頭が真っ白になった。戦った? 立派に? お国にために? なんで、どうして――

 

「どうしてそんなことが言えるんだ……? まるで、江藤さんが戦ったことを知っているかのようなこと――」

 

 そうだ。あやめは、まるで渚が戦っているところを見てきたようなことが言えるのだろう? いや、違う。見てきたような――ことではない。もしかして、もしかしてあやめは渚に――

 

「もしかして……会ったのか? 江藤さんに……?」
「ええ。でも、それだけではないわ。あなたも分かっているでしょう? 私はこう言ったのよ。“渚はお国のために、立派に戦って下さいました”と。渚は、一体誰と“戦って下さった”のだと思います?」

 

 まるで試すかのような言い方。雅人がこんなことを言いたくないということを見透かした上で、あやめは敢えてこんな聞き方をしている。それは、言いたくないことを雅人に言わせるために。そして、現実を突きつけるために。

 

「戦った相手は……もしかして小山内さん……? 戦って……そして殺したのか? 江藤さんを?」

 

 分かっているのに。それを言わせることがあやめの策略と分かっているのに、真実を確かめずにはいられない。友達を殺すなんて、雅人からしたら信じられないことを、あやめはしたというのだろうか。友達なのに、その尊い命を自らの手で奪ったというのだろうか。

 

「ええ、その通りですわ。私達は、お国のために正々堂々と戦ったのです。その結果私が勝利し、渚は敗北しました。それだけのことです。戦闘シミュレーションとしては、これ以上ないくらい有意義な戦いでしたわ」
「有意義……? 小山内さん、君は本気でそう思っているの……?」
「もちろんですわ。渚も、きっとそう思っていたはずです。私に後のことを託してくれましたから」

 

 違う。それは絶対違う。そんな戦い、有意義なはずがない。友達同士で殺し合わなくてはいけないことが、いいことであるはずがない。それは間違いなく悲しいことで、本来ならばあってはならない悲劇であるはずなのだ。

 

「友達を殺して……友達を失って……どうしてそんなことがいえるんだ……? 小山内さんにとって、江藤さんは大事な友達じゃなかったのか……?」
「それは愚問というものです。私にとって、渚は特別な存在でしたわ。同年代で唯一の理解者であり、大切な友人でした。きっと彼女のような方とは、もう巡り会えないのでしょうね」
「そう思っているのなら、どうして!! どうして殺したんだッ!!」

 

 分からない。そんなに大切に思っているのなら、どうしてその命を奪ってしまったのか。大切な存在を、自らの手で失くしてしまうようなことが、どうしてそんな簡単にできたのだろうか。

 

「あなたの物差しで、私達のことを推し量るのは止めて下さいません? あなたの考えが、常に正しいとは限らない。誰もがあなたと同じ考えを持っているわけではないのですよ。増してや、私達が互いに納得したことに対して、あなたに批難される覚えもないですわ」

 

 あやめから言われたその言葉に、真っ向から反論することができなかった。雅人からすれば正しいことであっても、あやめにとってはそうではない。雅人にとっては不必要で無意味なことでも、あやめにとっては必要で意味のあること。その言葉自体は――完全に間違っているわけではない。

 あやめとは、元々そんなに気が合っていたわけではない。けれど、ここまで考えが違うとは思っていなかった。葉月とは違う意味で、あやめとは住む世界が違う。葉月の無差別で無邪気な殺意も怖いものだが、あやめの盲信的で一方的な殺意も十分に怖いものだ。

 

「もういいです。これ以上あなたと会話などしたくありません。そんな一人よがりなことが二度と言えないように、その口を永遠に塞いで差し上げますわ。感謝してくださいね。この私自らが、非国民であるあなたを粛清してあげるのですから」

 

 それが最後の通告であるかのように、あやめはその言葉を言い終わるのを待たずに、こちらへと突っ込んできていた。動物的な反射と言うべきだろうか。あやめがこちらの腹部に突きたてようとした軍刀の刃先を、雅人は横に飛ぶことで何とかかわしていた。

 

「ちょこまかと……!」

 

 怒りに染まったあやめの表情は、雅人には鬼のような形相に見えていた。これが、本当にかつて一緒にやってきたクラスメイトの姿なのだろうか。あやめも、葉月も同じクラスメイトだったはずなのに。これまでそれなりにうまくやってきたはずなのに。どうして殺し合いをしなくてはいけないのだろうか。どうして、こんなにも自分の気持ちは人に届かないのだろうか。

 けれど、今の雅人に、そのことを深く考える余裕はなかった。今度こそ自分が死ぬかもしれないという恐怖で、頭の中は完全に支配されていた。

 

――し、死ぬ……! このままじゃ……死ぬ……!!

 

 死ぬのは怖い。死んだ後、どうなるか分からないから。痛いのも、苦しいのも嫌だ。何もできず、何も守れず、ただここで死ぬのは嫌だ。

 

――嫌だッ……! 俺は……

 

『悪いな。いつもいつも頼っちまって』

 

――約束、したんだ……。

 

『できるだけ早く帰ってくるから。弟達のこと……頼むな』

 

――だから……俺は……

 

「死ねないッ……! 俺は……俺はまだ死ぬわけにはいかないんだッ!!」

 

 そう叫んですぐに、雅人は腰に差していた銃を抜き、その銃口をあやめに向けていた。そのままろくに狙いを定めずに二回引き金を引く。パァンッパァンッという思ったよりも大きな銃声が聞こえ、そしてその余りにも大きな銃の反動に驚いたせいか、そのまま身体のバランスを崩して地面に倒れこむ。

 それは、あやめにとっては意外な行動であったせいか、目を見開いたまま完全に動きを止めていた。雅人の放った弾丸は、あやめの身体をかすりもしなかったが、それでも彼女はそのままの状態で少しの間そうしていた。

 その隙に、雅人はその場から離れるように走り出す。あやめに追いつかれないように、全力で駆ける。振り返らず、彼女のことには一切かまわず、そして――目の前の現実から逃げるように。

 

――撃つつもり……なかったのに……

 

 決してこの銃の引き金は引かない。そう誓ったはずだった。なのに、我が身可愛さに、とうとう誰かを攻撃してしまった。命は助かったかもしれないけど、自分の中の芯の部分が、確実に揺らいでいるのを感じる。

 

――死にたくないのに……誰も死んでほしくないのに……。こんなの止めるべきなのに、みんなを止めなきゃいけないのに、俺は何をしているんだ……!

 

 何も分からない。何も聞こえない。小鳥のさえずりも、新緑のみずみずしさも、今の自分には何も届かない。ただ走って、走って走って、ここから逃げて、死なないようにすることしかできない。

 

――俺は、これから一体どうしたらいいんだよッ……! 誰か……誰か教えてくれよ……!

 

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