道標

 

 一発の銃声が、静寂に包まれた空気を激しく揺らす。それに合わせるかのように、鳥たちが一斉に空へと上がっていく。風が吹き、木々は揺れ、落ちた木の葉が舞い上がる。それらがコーラスのようにひとしきり音を立てた後、周囲には再び静寂が戻っていた。

 今の銃声で、また誰かが死んでしまったのかもしれない。そう考えただけで、胸が張り裂けそうになる。思いとは裏腹に、プログラムはどんどん進んでいく。死んでほしくないのに、また人はいなくなっていく。

 

 そうやって大切なものが、一つ一つ手からこぼれ落ちる。それを包み込んで守ることも、落としたものを拾うことも許されないまま、そうなっていく現実を、私はただ眺めることしかできない。

 それがとても悔しくて、そして悲しい。だから、何かいい方法がないかと必死で考える。けれど、いくら考えても何も浮かばない。それが悔しくてまた考えたり、はやる気持ちのまま足を動かしたり、時には駆け出したりする。そんなことをずっと繰り返していた。けれど、答えは出ない。誰も見つからない。まるで永遠に出られない暗い迷路に入ったかのように、出口どころか一筋の光すら見い出せない。そして、私の知らないところで、また大切なものが失われていく。

 

 それがきっと、悲しくも残酷な、今の現実――

 

 エリアC-5にいる東堂あかね(女子14番)は足を止め、銃声のした方角へと視線を向けた。けれど、そこには変わらない雑木林があるだけで、人の気配はまるでない。ここから離れた場所で何か起こったのだろうか。自分の知らない間に、また誰かが死んでしまったのだろうか。

 そう思うと、勝手に涙がこぼれ落ちる。そんなに涙脆くはないはずなのに、気がついたら頬が濡れている。そんな弱いところが嫌で、そして何もできない自分が情けなくて、また涙を流す。その繰り返しだった。

 

――なんで……どうしてみんな……こんなことをするの……?

 

 親友であったはずの辻結香(女子13番)と別れた後、どうしていいのか分からず、この雑木林をただ彷徨っていた。その間、他の友人らはもちろんのこと、誰にも出会うことはなかった。そうして探し回ることにも疲れた頃、三回目の定時放送が流れた。

 そこで新たに知った、大切な友人の死。成績優秀で、明るくグループのムードメーカーである佐伯希美(女子7番)。小学校のときからの友人で、クールで優しい園田ひかり(女子10番)。この二人の死が告げられたとき、立っていられなくなって、あかねは膝から崩れ落ちていた。出発後に決別してしまい、一緒に行動することが叶わなかった北村梨花(女子5番)や、彼女と親しかった久住梨華(女子6番)。そして禁止エリアのメモを何とか終え、それからしばらくの間動けなかった。

 それからしばらくして、これではいけないと何とか己を奮い立たせ、また人を探し始めていた。その矢先の銃声だった。一度はおさまった感情の波が、また大きくかき乱されようとしている。

 

「まさか綾音とか、理香子じゃないよね……?」

 

 今も生きていて、まだ再会できていない友人たち。会えばきっと、分かりあえるであろう友人たち――五木綾音(女子1番)細谷理香子(女子16番)。この二人の名前が、自然と口からこぼれ出た。もしかしたら、今の銃声に関わっているかもしれない。考えたくないのに、そんな不安が頭をよぎる。そもそも二人は今どこにいて、何をしているのだろうか。そんな心配は、時が経つにつれて大きくなっていく。今にも破裂しそうなほどに膨らんでいく。けれど、その不安は本人にでも会わない限り、解消されることはない。

 だからこそ、その二人を見つけたい一心で、今もこうして探し回っている。もちろん、もう一度結香にも会いたい。会って、今度こそ復讐を止めたい。会いたい人や話したい人は、他にもたくさんいる。できれば仲間を作って、この状況を打開したい。その思いは最初から変わっていないのに、それが叶うことなく一人、また一人といなくなっていく。

 それは、誰かが誰かを殺していることに他ならなくて、みんなの命が奪われていることを示していて、赦されないことであるはずなのにそれが当たり前のように成立していることを証明している。プログラムのことを知った時から感じていた疑問の答えは、自分がその状況下におかれても分からない。そしておそらく、一生理解することはない。

 理解などしてしまったら、それはもう元の自分ではなくなってしまう。

 

――だって、わかるわけないもん。みんなを殺してまで帰りたい理由なんて……。

 

 ザッザッという葉がこすれあうような音が聞こえる。周りの風景は何も変わらないのに、この悲惨な状況はどんどん進行している。木は変わらず青々としていて、風は冷たく頬を撫でる。自然は変わらずそこにあるのに、知らないところで別の何かが変化していく。

 それがたまらなく怖いのだ。だからこうして、綾音や理香子、結香や他のみんなを必死で探している。知らないところで何もかもが変わってしまうことが怖くて、それが嫌なのだ。だから、自分の手の届くところでみんなを守りたい、みんなを助けたい。

 

 もう“傍観者”は嫌だ。ただ指を加えて、黙って眺めることしかできないことなど、もうたくさんだ。もう、誰も失いたくない。

 

――会いたいよ……! みんなに会いたいよッ……!! 誰にも会わないで、誰とも分かり合えないままなんて、このままずっと一人だなんて……そんなの絶対嫌ッ!!

 

 またザッザッという音が聞こえる。けれど今度は、風に揺れた葉がこすれ合うような音ではない。足元にある雑草を靴で踏みつけたような、少しばかり鈍い音。その音の正体が分かったとき、あかねはその音の方に身体を向けていた。そして、その相手の正体が分かった時、なぜか全身から鳥肌が立った。それはあかねが心のどこかで、その人物に対して恐れを抱いているせいなのかもしれない。

 普段から、ほとんど関わりのない人物。三年になって、初めて同じクラスになった人物。そして、大半の女子のことを名前で呼ぶあかねにとっては数少ない、互いに名字で呼び合う人物。

 

「あら、誰かと思えば東堂さんではありませんの。お久しぶりですわね」

 

 いつもと変わらない、どこか気品ある言葉使い。そして、その立ち振る舞いからにじみ出る気高さは、この状況でも失われていない。けれど、それが却って彼女の不気味さを物語っているかのようにも思えた。普段はそんなこと、思ったことなどなかったはずなのに。ただどこか自分とは住む世界が違うなとか、そんな風にしか思っていなかったはずなのに。

 いや、もはや不気味というレベルの問題ではない。全身の半分以上を埋め尽くす真っ赤な色が、彼女がどんな立場の人間であるかを言葉以上に証明している。

 

「どうかなさいましたの? せっかくこうして久しぶりに会えたんですもの。挨拶の一つくらいはしてくださいませんこと? 何も言わずに黙っているなんて、いつものあなたらしくありませんわよ」
「お、小山内さん……。その赤い色……それ……何……?」

 

 挨拶どころか考える余裕もなく、思ったことがそのまま口からこぼれ出た。そんなあかねの質問に対して目の前にいる彼女――小山内あやめ(女子3番)は、いつもと変わらない口調でこう答える。

 

「口を開いたか思えば、そんなことですか。まぁあなたのような方には、きちんと説明しないと理解できないでしょうから、その質問には答えて差し上げますわ」

 

 あやめはそう口にすると、壇上に立った演説者のように、高らかに語り始めた。あかねが何かを言う間もなく。

 

「あなたもご存じかとは思いますが、私はこの大東亜共和国の総統様を崇拝しております。その総統様が必要だとおっしゃったプログラム。それに私達は選ばれました。なら、私はお国のために、力の限りを尽くそうと決意いたしました。まぁ当然のことですわね」

 

 とても自信に満ちた口調。自分のやっていることに、一片の迷いもないことがはっきり分かる話し方。あかねにはとても理解できないことを、あやめは当然だと断言する。

 

「戦法としては、出発してから待ち伏せという方法もありました。けれど、私はそれをしませんでした。なぜなら、これは戦闘シミュレーションだからです。正々堂々、相手と真正面から戦わないと意味がありませんからね。これまで出会った全ての方に、不意打ちなどという卑怯な真似はしておりませんわ。それは、神にも総統様に誓ってもです」

 

 理解はできていない。あやめの主張の意味すら分からない。けれど、どこか引きこまれている自分がいる。あかねは心のどこかでそう自覚していた。元々そういう気質があるからなのか、あやめはみんなの前に立って演説することがとてもうまい。それは三年になった当初、クラス委員を決める投票を行う際にやった演説のときからそうだった。

 

「その信念のもとにこれまで行動しておりますが、プログラムが始まってから出会った方はわずか二名ほどです。けれど、一人の方は戦いもせず無様に逃げるという、大東亜国民として最も恥ずべき行為におよびました。ただし、もう一人の方とは、互いが望むような形で有意義な戦闘ができましたわ。おそらくあなたが先ほどから気になっているこれは、その際に浴びた返り血です」

 

 あやめの細身の身体を彩る真っ赤な血。見た目から推測しただけでも、その量があかねには想像できないほど大量であることは疑いようもない。そんなに大量の血が流れたら、おそらくその人は――

 

「……したの?」
「すみません、あなたの声が小さくて聞こえませんでしたわ。もう一度、いつものような大きな声で言って下さる?」
「こ、殺した……? その人……殺したの……? 小山内さんが……?」

 

 本当はこんなこと、聞きたくはない。けれど、あんなことを言われてしまっている以上、避けて通ることもできない。逃げたいけど、おそらくあやめはここで逃げることを許してはくれない。

 それに、知らなければいけない。逃げてはいけない。そうでなければ、また“傍観者”になってしまう。

 

「ええ、そうですわよ。だって、これは戦闘シミュレーション。想定される敵は殲滅させないといけませんからね。そうでないと、勝利とはいえないですもの」

 

 あかねにとっては信じられないことを、あやめは言い淀むことなくはっきりと答えた。それだけでも信じられなかったのに、さらにあやめが言った“勝利”という言葉。ここで人を殺すことが、ここでクラス全員を殺して生き残ることが、何においての勝者であるかのような言い方。死んだ人間は全て敗者で、勝者は全てにおいての頂点であるかのような物言い。これまでの道徳感をまるで無視した、他者の命を踏みにじるかのような言動。不快にさえ思う、その言葉。

 

「……違うよ。それは、絶対違うよ」
「違う? 何が違うというのです? ここでのルール、あなたお忘れになったのですか?」
「そうじゃない! そういうことを言ってるんじゃないよ!!」

 

 ルールとか総統とか、そんなものは問題ではない。大切なことは、誰かに勝手に決められたそんなルールではない。ここでのルールそのものが、いわば“異常”なのだ。そのこと自体が、何においてもおかしいのだ。他人を蹴落とさなくてはいけないルールなど、絶対に認めるわけにはいかない。

 

「小山内さんは、その人を殺したとき何とも思わなかったの?! だって、その人はもう笑ったり、おいしいものを食べたり、友達は楽しく話すこともできないんだよ!! その人のこれからの人生、奪っちゃうってことなんだよ! こんなルール、それ自体がおかしいはずなのに、どうしてそれが分からないの?! 他人を殺さないと生きられないルールなんて、誰かを蹴落とさないといけないルールなんて、私はそんなの絶対に認めないッ!!」
「何を言っているのです? あなただって、誰かを蹴落としてここにいるのでしょう?」

 

 静かに発せられたその言葉に、なぜか黙らざるを得なかった。そんなことはない。私は誰かを蹴落としたことなんてない。そう言おうとしたけれど、その前にあやめは口を開く方が早かった。

 

「あなたは、確か青奉小学校からの進学でしたね。なら、その小学校に入学する際に、必ず受験をされたはずです。そして受験というのは、多くの志願者から優秀な人材を選別するために行われているものですわ。あなたがその学校の試験に合格したその裏で、不合格になった方も大勢いらっしゃるのです。つまり、あなたは多くの人間を蹴落として、入学を果たすことができた。それでも、そんなものは認めないとおっしゃるのですか?」

 

 グッと言葉に詰まる。確かに、あかねは青奉小学校からの進学だ。およそ九年前、その学校を受験して、そしてその試験に合格した。合否が出るということは、合格者の裏で不合格者が出たことを意味している。それは確かに、その人を蹴落としたことに他ならないのかもしれない。

 

「ここにいるみなさんは、例外なく誰かを蹴落としてここにいるのです。そして、これから高校や大学への進学、あるいは社会人になるための入社試験。限られた枠に入るために他人と争い、その結果で誰かを蹴落としたり、あるいは蹴落とされる場はいくらでも存在するのですよ。ここでは、その対象が命であるというだけの話です。そのこと自体を非難されるのなら、社会のしくみそのものを認めないということと同義ですわよ」

 

 反論できなかった。確かにこれから高校受験も控えているし、それから大学やどこかの会社に就職するときもある。そのとき、こちらが望む望まないに関わらず、誰かと競争する場はいくらでもある。そのときはおそらく何の疑問も持たずに誰かを争い、そして蹴落とされたり、蹴落としてしまうことはあるのだろう。あやめの言っていることは、理屈だけで考えれば確かに正論だ。

 

「でも……、でもそれは、やり直せるからじゃん!! 確かに試験に合格しなかったらその学校や会社には入れないし、困ることだってあるかもしれないよ。でも、生きてたら別の学校にだって入れるし、他にいくらだって選択肢はある!! でも、ここのルールは違う! 死んだら……死んじゃったらもう、何にもできないんだよッ!! そんな蹴落とし方、私は絶対に認めたくはないッ!!」
「当たり前ですわよ。だって、戦闘というのは命のやり取りですもの。試験とは違って、一度負けたらそこで全てが終わる。だからこそ、シミュレーションが必要なのです。一度の敗北も許されないからこそ、今こうして私たちは国のために戦う必要があるのですから」

 

 続いて反論しようとしたけれど、その前にあやめが腰に差していた刀を鞘から抜いていた。ギラリと光るその刃に、反射的に右足が一歩後ろへ下がる。

 

「まったく、あなたも須田くんも同じようなことを言うのね。そんなくだらない話を聞いていたら、こちらの耳まで腐ってしまいそうです。やはりここはルール通り、実力勝負しかありませんわね」

 

 そう言って、あやめは刀を構えた。官僚一家の娘だからか、その構えは堂に入っていて、その姿だけでも気圧されてしまう自分がいる。対して、こちらには何も武器がない。あったとしても使いはしないが、身を守る道具がないというだけで、泣きそうになるほど怯んでしまう自分がいる。

 けれど、今は怯んでなどいられない。右手をギュッと握りしめ、意を決してあかねはこう発言した。

 

「須田くんと同じような……って言ったよね? 須田くんに、会ったんだよね?!」
「ええ。ですが、それがどうしたというのです。別にあなたには関係ないことでしょう?」
「関係あるよ!! 大アリだよ!!」

 

 あやめの口から出た、ずっとクラス委員をやってきた相棒――須田雅人(男子9番)の名前。会いたかった人に、会った人がここにいる。彼が今どんな様子か、あやめと一体どんなやり取りをしたのか。あかねの意識は、もうその一点だけに集中していた。

 

「須田くんも私と同じようなことを言ったんだよね? これは間違っているって、人の命を奪うことは絶対違うって!!」
「だからそれが何だと……」
「いいからッ! 私の質問に答えてよ!! 私にとっては、すっごく大事なことなんだから!!」
「……ええ、そうですが。だからそれが何だというのです?」

 

 やはりそうだった。雅人は、これを認めてなどいなかった。プログラムが始まっても、自分の考えを貫いていた。それが、何よりも嬉しかった。あやめに非難されたことなど、もうどうでもよくなるくらいに嬉しかった。

 そうなると、次に大事なこと。あやめが出会った二人のうちの一人、逃げた方か殺された方。彼は一体どちらなのだろうか。

 可能性としては、前者である可能性が高い。それならいい。逃げることは間違いではないし、むしろあやめを殺そうとしたり傷つけなかったことが雅人らしい。何より、今も生きている可能性がある。けれど、もし不本意ながら戦闘になって、それで殺されたりなどしていたら――

 

「須田くんのこと、傷つけたりしていないよね?」
「……はっ?」
「だから須田くんのこと、傷つけたり殺したりしてないよね?! そんなことしたら、絶対に許さないからッ!!」
「何をそんなにムキになっているのです? 別にあなたと須田くんは、辻さんや弓塚くんのような恋仲というわけではないでしょう?」

 

 結香の名前が出てきたことで、また胸がズキンと痛む。けれど、今はそのことを考えてはいけない。雅人の安否を知らなければいけない。それが、今この場で最も重要なことなのだ。

 

「……本当は戦って、私の手で粛清したかったのですが、残念ながら逃げられてしまいましたわ。戦わずして逃げるなど、大東亜国民として最も恥ずべき行為を、彼は平然としてのけたのですよ」

 

 あやめは苦虫をかみつぶしたような表情で、とても不愉快そうに話したが、あかねにとっては吉報だった。やはり、雅人はこのプログラムに反対だった。自分と同じだった。きっとそうであると信じていたことが、現実のものだったのだ。

 そうと分かった以上、一刻も早く雅人と合流しなくてはならない。そして、他にも同じような考えの人を一人でも多く集めないといけない。一人でいてはいけないことは、あかね自身が一番よく理解している。だから探して、見つけて、たくさん話して、お互いに色んなことを考えなくてはいけない。

 

「これで気が済みましたか? では、私と勝負して下さいます? もし得物をお持ちでなければ、私の方から一つ――」
「探さなきゃ……」
「……今なんとおっしゃいましたか?」
「須田くんやみんなのこと、探さなきゃ!!」

 

 あやめの言葉を無視して、あかねはその場から駆け出していた。もうあかねの頭の中は、雅人や他のみんなを探すことでいっぱいだった。ここであやめと言い争っている場合でも、増してや武器を使った実力勝負をしている場合でもない。そんなことをしている間にも、知らないところで危険な目に遭っているのかもしれないのだ。

 ここから逃げるのだ。雅人と同じように。逃げることは間違いではない。生きるためには、逃げることだって必要だ。探すことも打開策を考えることも、生きていないとできないこと。死んでしまっては、何もできなくなってしまう。立ち向かう勇気も必要かもしれないが、逃げることだって一つの勇気なのだ。

 

――須田くんッ!! 綾音、理香子、結香、それにみんな! 絶対絶対見つけるからッ! だから絶対死なないでねッ!

 

 確固たる決意を胸に秘め、あかねは全力で駆けていた。クラスで指折りの運動神経を最大限に生かし、バスケ部のレギュラーとして恥じないほどのスピードで。追いかけようとしたあやめのことを、簡単に振り払ってしまうほどに。

 道標はある。希望はある。それを見失わないように、今は必死で足掻くとき。たとえ全てが無駄に終わったとしても、後悔するよりはずっといい。

 

『俺はそんなに強くはない』
『あんたに、私の何が分かるの?』

 

 もう迷いはない。迷わない。二度と後悔しないためにも。

 

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